遺産分割協議証明書のこと

ご無沙汰してしまいました。

「遺産分割の協議後に他の相続人が死亡して当該協議の証明者が一人となった場合の相続による所有権の移転の登記の可否について(通知)」〔平成28年3月2日付法務省民二第154号〕が3月に通知されましたが、今日は、最近ご依頼いただいた相続登記が、まさにこの通知にある遺産分割協議証明書を使用して行った案件だったので、記したいと思います。

ご依頼いただいた方は、被相続人の奥様ですが、被相続人であるご主人様がお亡くなりになった数年後、息子様もお亡くなりになり、現在の相続人は奥様お一人でした。
奥様に遺産分割協議書の有無について確認したところ、協議書は作成していないが、被相続人の死後、新盆の際に、奥様と息子様で被相続人の財産は奥様の名義にすることを話合い、そのことはしっかり記憶しているとことでした。

協議書がないので遺産分割協議の事実を客観的に証明するものはなく、悩みましたが、遺産分割協議は要式行為ではなく、また奥様の記憶もはっきりしているため、今回はこの通知のとおりの手続きで進めることになりました。

なお、新盆の日付けまでははっきり覚えていないとのことであったので、管轄法務局に遺産分割協議証明書に記載する協議の日付を「平成〇〇年〇〇月〇〇日頃」と記載しても差し支えないか確認したところ、遺産分割協議証明書の記載から確かに協議があったことを証明する趣旨が読み取れれば、日付は「平成〇〇年〇〇月〇〇日頃」でも問題ない旨の回答をいただきました。

最近、実務上重要な相続登記に関する取扱いの変更が相次いでいますが、依頼者にとって負担の少ない方向に進めばいいですね。

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